白糠 横田邸


釧路から国道38号で十勝に向かって約35分の所に[「白糠町」があります。
(白糠町って知らぬかった!とか言うたら怒るよ)
ここからさらに30分ぐらい山側にはいった上茶路へ行きました。
今回の旅の目的である横田宜伯(よしのり)さんにお会いするためです。

横田さんは、大阪出身ですのに、
「星を観たくて野営を覚え、カヤックに魅せられて道東に通った。」とおっしゃいます。
アウトドアガイドで、現在は白糠町青少年旅行村の管理人です。
    
管理棟は、とっても素敵なログハウスです。
大きなストーブが2つありました。
    

   横田ご夫妻と一緒に    この長い煙突から放熱される暖かさも大事なんだそうです。
   
旅行村の一画では
「道東では育ちにくい」と言われていたブルーベリーの栽培を有機で手掛けてはります。
このブルーベリーが並ではないのですよ。
1本1本、木の状態を見ながら摘花していくので
大きい実は500円硬貨と同じくらいの大きさにまで育つそうです。
もちろん栽培のご苦労は言うまでもありません。
鉢栽培にして1鉢ずつ徹底管理をし、厳寒の冬にはムロで休眠させています。
夏の間はエゾシカの食害に備えて、畑に電線をめぐらせて育てるそうです。
   
わたしが、「エゾシカが増えすぎて白樺の食害が増えているそうですね。
生態系を守るためには、適度な駆除が・・・」と言いかけたら
横田さんは静かに「生態系を一番破壊しているのは人間なんですよ」と言わはりました。
あああぁぁ〜〜〜〜

この希少なブルーベリーは、
京王プラザホテルのパティシエも見学に来られて毎年購入されているそうです。
オーナー制度らしいので、わたしも一口お願いしました。
    
この横田さんのブルーベリーとおおともチーズ工房さんのチーズとわたしとで
何かコラボできないだろうかというオファーいただきました。
何か素敵なものができるようがんばります!


で、旅行村の敷地を案内していただきました。
奥さまが、あったかいスパッツとダウンコートと手袋を貸してくださいました。
    
正面の建物は、横田さんの作業場です!でかい!    雪の深さわかっていただけますか?

お天気はとってもよかったのですが、とにかく風が冷たかったです。
一緒に歩いていた横田さんの奥さまが、後ろからわたしにフードをかけてくださいました。
わたしよりもずっとお若い奥さまなんですけど
お母さんみたいなあったかいやさしさにじいんときてしまいました。
  
横田さんは、イタヤカエデの樹液からシロップも採ってはるそうです。
とても珍しい日本のメープルシロップです。
あと2週間ぐらいしたらシロップの採集が本格的に始まるらしく
トラクターで道筋を除雪してありました。
    

お目当ては、横田さんが作られたツリーハウスです。
    
鳥の巣箱みたいに見えるけど、あそこまで行ってみました。
J氏が先頭になって深い雪をラッセルしてくれました。
サバイバル能力という点では、横田さんに勝るとも劣らないヒトです。
(でも、さすがに雪が深くて息切れしてはりました)
ラッセルしてくれた後の道を楽チンに歩くことを「ラッセル泥棒」というのだそうです。
    

でね、急な階段を上って・・・登って
    

ツリーハウスまでたどり着きました。
トイレもお風呂もないけど、木の上に5畳ほどのお部屋があります。
    
ホントは、高いところから下に川が見えるらしいんですけど・・・・凍ってましたぁ!

でね、降りるのがまた大変・・・
    

とろとろどんくさいわたしを待ってくださってた横田さんと戻りました。
雪に足を取られないように見守ってくださるやさしい方です。
    
                         あ、やっぱり・・・こけた!

こちらは、何をしても絵になる奥さま! 

実は、モモンガの巣を見てはりました。
(木のまんなかにある小さい穴わかりますか?) (夕方だと、モモンガが見られるらしいです)
    

真冬でも常緑のトドマツの木の下は、エゾシカのねぐらなんだそうです。
    

雪道から見た横田邸  

横田さんに、「一体どれほどの面積を管理なさっているんですか?」ってお尋ねしたら
しばらく考えてから「ここから見える範囲全部!」っておっしゃいました

   この広い敷地を管理するには相当な力量がいります。
一番近い町までは車で30分かかります。
どんな事態がおきても、即座に一番いい方法を判断して、
すべて自分の力で解決していかなければなりません。
とても厳しい生活条件のはずなんですけど、横田さんは静かで穏やかな方です。
本当に強くてやさしいヒトなんでしょうね。
J氏と似てるなぁって感じました。

冬場は尋ねてくる人も少ないらしいです。
わたしたちは、ほとんど半日ぐらいおじゃましていました。
帰り際に横田さんは
「うちのヤツがあんなに笑って機嫌良くしてて本当に良かった」とこっそり言わはりました。
普段そっと、奥さまを守って生きてはるんでしょうね。

お2人にお会いできて本当に感激でした。
これから、ずっと長くおつきあいしていきたいです。